一方、キンレイは、和食チェーンの「かごの屋」の経営を中心とする外食事業およびコンビニエンス・ストア向けの冷凍調理麺の製造販売を中心とする食品事業の2つの事業を主要な事業としております。「かごの屋」は主として関西圏に店舗展開しており、郊外型店舗展開に強みと特徴があります。また「かごの屋」は、しゃぶしゃぶなどのなべ料理・刺身・てんぷらといった和食の定番メニューを幅広く提供しており、多くのお客様から高い支持を頂いております。

 外食業界においては、外食に関する消費者の嗜好が変わりつつある中、外食店間の競争に加え、デパート、スーパー、コンビニエンス・ストア等の売り場の充実による「中食」との業態間競争も進み、厳しい状況が続いております。こうした経営環境の変化に適切に対応し、対象者もキンレイも更なる成長・発展を図ることが重要な経営課題となっております。

 対象者がこれまで培ってきた麺類を主体としたメニュー提供や都市部の商業施設・駅ビル等への出店を中心とした都市型インショップ店舗の運営及びフランチャイズ展開に関するノウハウを、キンレイの有する多様な和食メニュー提供に関するノウハウ、効率的な郊外型店舗運営システム、製麺技術及びマーケティングに関するノウハウと融合し、相互に活用しあうことにより、対象者とキンレイとの間にシナジー効果をもたらすことができると考えております。現時点で想定されるシナジー効果には、@店舗展開・新業態開発の融合による効率的な店舗展開の推進、A仕入・物流・開発の共通化による効率化の推進、B製麺技術・商材の交流による提供メニューの更なる品質の向上とコスト低減の推進、C人材交流による経営資源の共有化等があります。

 対象者は、これらのシナジー効果により、和食レストラン分野でのリーディンググループの形成と食品販売の分野を含めたフードビジネスの一流事業グループとなることを目指し、事業の拡大と効率的な経営の推進を目的として、キンレイとの間で業務提携に係る基本合意書の締結について平成19年8月6日付けにて発表しております。そして、両者の業務提携関係を推進し、これらシナジー効果のより高い実効性を実現するためには、資本関係をも確立することが重要であることから、公開買付者は、対象者及び対象者を通じて筆頭株主であるカッパ・クリエイトと協議のうえ、本公開買付けを行うことを決定いたしました。

 公開買付者は、現時点において、本公開買付け成立後キャス・キャピタル・グループと対象者との間で取締役派遣を含む人的関係を構築することも視野に入れておりますが、対象者の役員の構成の大きな変更は予定しておりません。公開買付者は、対象者とキンレイとの間の合併等の組織再編の可能性も含め、対象者の企業価値を向上させる方策を今後幅広く追求することにより、中長期的な観点から対象者の企業価値の増大に努める予定です。

 本公開買付けにおける買付価格は、平成19年8月3日までの過去1ヶ月間のジャスダック証券取引所における売買価格の終値の単純平均値546円(小数点以下四捨五入)に対して約31.9%のプレミアムを、同日までの過去3ヶ月間の同取引所における終値の単純平均値556円(小数点以下四捨五入)に対して約29.5%のプレミアムを、同日までの過去6ヶ月間の同取引所における終値の単純平均値570円(小数点以下四捨五入)に対して約26.3%のプレミアムを加えた価格となり、平成19年8月3日の終値544円に対して約32.4%のプレミアムを加えた価格です。また、本公開買付けは、買付けの上限株式数を3,683,000株(対象者の発行済株式総数の約52.5%)としており、対象者の上場廃止を企図するものではなく、公開買付者は、本公開買付けが成立した後も引き続き対象者の株式上場を維持する方針です。また、公開買付者は、現時点においては、本公開買付けの後対象者の株式を追加取得する予定はありません。

 対象者の取締役会は、本公開買付けの買付価格その他の条件、キンレイと対象者との間の業務提携の内容、その結果対象者に生じうるシナジー等を総合的に考慮し、本公開買付けは対象者の企業価値ひいては株主共同の利益の向上に資すると判断し、平成19年8月6日、本公開買付けに賛同する旨決議しております。なお、対象者の取締役兼カッパ・クリエイトの取締役である山下昌三氏は、特別利害関係人として上記決議には参加しておりません。

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